花の名残りに紅を差して

花の名残りに紅を差して

水の縁に寄り集まった桜の名残り。白く淡い花びらが夜の青に映えて、その中で落椿の紅だけが静かに灯っていたのでした。音のしない境内でその色だけがわずかな温度を残していて、それはまるで、消えゆく春を引き留めているように思えたのでした。

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