とある棚田からの帰り道、ちょっといい風景だからまた今度来てみようと思ってた場所があったんですよ。いえ、もっと正確に言うと、「来た道から帰るのってつまんないから、あっち通って帰ってみる?」とカエルさんに言われて通った田舎道がちょっといい感じで、記憶の奥底に仕舞い込んでいたというわけです。そして、昼過ぎから少し時間が空いた休日、不意に思い出して訪れてみたという顛末。夏空と海の青に稲の緑のコントラスト。不器用に並ぶ電柱のシルエットに木陰の涼やか。そして、小川のせせらぎにトンボの群れ。と、見るもの感じるものすべてから夏が薫る田舎道の風景は、大量の汗がTシャツをべっとりと濡らす気持ち悪さと引き換えに。ところで、仕舞い込んでいた記憶が蘇るまで軽く一年を要したってこと、言ってましたっけ?