空振りの朝に

空振りの朝に

今シーズン何回目かの蓮池は、予想以上に撮れ高なし。一枚も撮ってないどころか、カメラさえも取り出していない空振りの朝。けれど、神様はそんなワタシを見放すことはなかったのです。少し遠回りをした帰り道、視界の端を掠めた黄色い塊。蓮を諦めた足が、勝手にそちらへ向いていくのでした。小さな墓地の隣に咲く、小ぢんまりとした向日葵畑。並んでいたのは、太陽のほうを向いた花たちの後ろ姿。すぐそばのお墓では、朝参りに訪れた老婦人たちが立ち話に興じています。切れ切れに届く声を聞くともなしに聞きながら、ワタシはただ、律儀に背を向ける花たちにレンズを向けていたのです。蓮は一枚も残せませんでしたが、カメラの中には後ろ姿の向日葵ばかりが増えていくのでした。

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