現の果て

現の果て

空腹のことはもうしばらく忘れることにしたのです。なぜなら、薄藍に染まった風景が、まるで絵画の中の世界のように見えたから。水面に刻まれた潮目の紋様は誰かの手で描かれたもののようで、薄紅と紫の雲は妖しく溶け合って。そして、棚田はそれらを映して、天と地の区別を曖昧にしてゆくのでした。ここはどこかの画家が夜ごとに筆を走らせる、幻の風景画の中ではないかと、ふと思いながら。

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