流れない春

流れない春

小さな池を囲むように桜並木。春の風に散った花びらが水面に落ちて、流れることなく静かに留まっていたのでした。それはまるで、春そのものがここに留まることを望んでいるかのように。終わりのはずのその情景はむしろ満ちていくようにも見えて、流れないままの春は静かに深まってゆくように思えたのでした。

Comments

No comments yet. Why don’t you start the discussion?

コメントを残す