出窓から眺めた雲が無性に撮りたくなってそそくさとハスラーを走らせたある日の夕刻。海岸沿いの工業団地に迷い込んでよろよろと彷徨い歩く様は、側から見ればまるで不審者のよう。実際、散歩中の老夫婦やジョギング中のお兄さんからは奇異な視線を送られるわけですが、そのお陰でちょっと素敵な千切れる雲の風景を撮ることができたのです。とはいえ、物々しい壁や高いフェンスに囲まれた工場地帯でカメラなどを携えていると、謂れ無い後ろめたさなどを感じてしまったりもするもので、ファインダーを覗きながらいつもと違うドキドキ感を味わうことになったりもして。