紅の中で、ひとり

紅の中で、ひとり

一面の花の海から、少しだけ顔を出した一本。その姿が不思議と目に残ったのです。「ここにいるよ」とでも言うように、花の海からそっと姿を覗かせるのは、誰かに見つけてもらうためなのでしょうか。それとも、ただ少しだけ高いところから景色を眺めたかっただけなのか。そしてそれは、華やかに咲き競う花々の中で、ひとりだけ違う時間を過ごしているように見えたのでした。だからワタシは、花の海ではなく、その一本にそっとピントを合わせたのです。

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