夜のほとりで

夜のほとりで

「さすがにもういないよね。」そう思いを馳せたのは、漁船の船首に立って動かない件のモデルさんのこと。お気に入りの港が夜の闇に包まれて足元がおぼつかなくなる頃に戻ってきたその場所では、船頭を失った漁船がゆらりゆらりと揺れているだけなのでした。ところが、暗闇の中で再び三脚を立てることになったのは、水面に映ろう街の灯りに彼の姿が浮かび上がったから。ただ、今から思えばこの彼があの彼だという確証はまったくと言っていいほどないのですが。

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