2023
20
Jun

Nature, Photograph

水鏡は妖しげな空を映して

「松前町近辺だったら、まだ撮ってないリフレクションがあるかもしれんねぇ。」「あ〜、それはボクも思ってたんですよ。」と、あの日そんな会話をしたような記憶があります。浄瑠璃寺で紫陽花を堪能した後、いつもとはちょっと違う道でも通ってみようかと意図的な迷い道。どの辺を走っているのかは大雑把に把握はしていたのですが、どんなロケーションなのかはもちろん未知数。けれど、住宅街を抜けて視界が開けた瞬間に感じたのは、いい撮影スポットに出会う予感。まっすぐ前を向いていられないほどの水田の数にドキドキしながら、その中でも少し異質な雰囲気を感じた場所で緊急停車。水が張られたばかりのすっぴんの水鏡は妖しげな空を映して、電柱に囲まれたハウスの群れは結界に守られたような雰囲気で。できるならば残照に染まる景色も見てみたかったのですが、この日の空はこれ以上機嫌がよくなることはなく、そんなワタシの願望はまた後日、もしくは、また来年に持ち越されることになったのです。