あれ、月じゃない?
淡い色は平穏の色
こんな幕開けで大丈夫?
苔むす中庭にて
ただ一人の渓谷で
だからこそ
あちらを立てれば
夢見心地
些かの賑わい
枝先のカエデに巡らす思考
たとえ最高ではないとしても
参道の裏で光を浴びて
白い息とは裏腹に
落書き帳に舞い降りて
思惑が外れたとしても
質感より色彩を
落ち葉の彩りは岩肌を飾る
頭上を飾る絢爛の色
落ち葉に転がる水玉の風情
肩透かしを食らって
迷子のピントもいとをかし
続・散り積もるのは秋の彩り
金色の彩りは突然に
艶麗な黄色に魅せられて
散り積もるのは秋の彩り
落ち着いた彩りは透過光に映える
犯人はこいつ
雨上がりの足元に
ふたつの椅子の物語
泥濘の水鏡には
色彩の風流
オーラに負けて
透け感の絶妙
紅葉感
水風景は絵画のように
水風景の不思議
再び立ち止まったその理由
見逃すわけにはいかないじゃない
落胆のUターンと仄かな秋色
渓谷の秋は水鏡から
その空は世紀末の様相
好みなのでやはり
このモチーフで
奇天烈な世界観
夜の色が忍び寄る水鏡の趣
電線の交差点と秋の夕空
秋の空とクレーンと
桜の幹のコケティッシュ
隙間の時間に
琥珀色と葡萄酒色の世界

