とある係留地にて暮れゆく秋空を眺めることしきり、その空はいつの間にか妖しげに染まるのでした。そして、つい先程までワタシの周りを遊泳するかのようにiphoneで撮影に興じていたカエルさんの姿は今何処。もちろん、そのことを気にかけていなかったわけではありませんが、「しばらくしたらいつものように戻ってくるでしょ」という感覚で、ワタシはワタシで自分の好きな構図探しに没頭していたのでした。すると、一心不乱にファインダーを覗いていた背中越しに不意に聞こえるカエルさんの声。「あっちに水溜りあるよ〜。いいカメラで撮ってみたら?譲ってあげる♪」となれば、リフレクションが大好物なワタシとしては 小走りに全力疾走で撮りに行くわけです。それにしても、譲ってもらったこの風景のなんと妖艶なことか。我が嫁ながら、その被写体探索能力の高さにはつくづく感服してしまいます。
2022
16
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