菜の花の谷で夕暮れを待つひととき。構図は小一時間前にすでに決めてあって、残るピースは素敵な空の風景だけ。吹き抜ける風はだんだんと冷たくなって、その寒さは少し薄めのジャケットを選んだことを後悔するほど。「こんばんわ〜」と、犬の散歩の少年と挨拶を交わした以外は言葉を交わす相手もいない時間が延々と過ぎて、ついに訪れた落陽の時間。期待していたのはもっとオレンジ色に染まる空だったのですが、この日の空は少し控えめで穏やかな色合い。とはいえ、その詩的な情景は待つ価値が十分あったと思わせる素敵なもので。
2024
21
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