燃える夕陽がコスモス畑を照らし始めると、カメラを持った人々は一斉に西のほうを向いて映えるアングルを探し始めるわけです。もちろん、それはワタシも同様なのですが、ひとしきり透過光で秋桜の透明感を楽しんだ後は、ちょっと振り返ってひび割れの芸術を撮ったあの場所へ。あの一枚を撮った際に少し気にはなっていたのですが、その時間のあの色調では少し “違う“ かなと思ってスルーしていたわけです。倒れた秋桜のひと束が物語を語り始めて、そんなドラマに沈みゆく太陽が彩りを添えて。もしそこに倒れたひと束の秋桜がなければ、もしもこの日が曇り空だったなら、この物語は語られなかったかもしれませんね。
2023
29
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