水鏡に曇天が妖しげに映り込むロケーションを後にしたワタシたち。次に向かうのは、お気に入りのあの場所。素敵な夕空が広大な水鏡に反射するあの光景を期待してのことなのですが、朝っぱらからずーっと居座る分厚い雲はまだ立ち去る気配はありません。なんてこったい。とはいえ、天気の神様の気まぐれに一途の望みを託して、日没まで居座ってみることにしましょうか。
到着するや否や三脚を担いで坂道をダッシュしたのは、一刻も早くあの風景を拝みたかったから。数年前に眺めたあの光景をもう一度見てみたいと願いながら、あれ以上のドラマティックな瞬間には未だに出会えていないのです。といっても、今日の空模様にはあまり期待できないことは承知の上。加えて、手前から二枚目の田んぼには藻が繁殖していて水鏡にさえなっていませんでした。残念。しかし、この冴えない天候を慮ってか、その緑色の藻が思いの外いい味を醸し出すなどとは思ってもいませんでしたが。
日没。そして、残照の時間もすでに過ぎ去りました。染まる色は随分と控えめで、物足りないといっても差し支えないほどの焼け具合だったのですが、お気に入りのロケーションだとその分プラス補正が入るのでしょうか。ワタシの心情的には、全くと言っていいほど心残りなく帰路に着くことができたのでした。いえ、もしかしたらそうではなくて、今日は撮り過ぎて写欲が底をついてしまっていたからかもしれませんが。その証拠に、先ほどから「SDカードが一杯です。」なんてメッセージが表示されてますよ(笑)