夜勤明けの休日ってなかなか眠れないんですよね。といってもそれは当然の話で、つい昨日まで仕事していた時間にキッチリ寝つけるかと言われれば、それはなかなかムズカシイものがあると言わざるを得ないでしょう。そして、そんな夜勤明けの休日。やっぱり寝つけない夜がやってきて、そろそろ明け方という時間にふと思いついたのでした。「そうだ。蓮池に行こう!!」
午前5時11分。浄瑠璃寺の駐車場には、ワタシのハスラーがただ一台。夜明け前なのでそりゃそうだろうとは思うのですが、ピーク時の浄瑠璃寺だともうすでに先客が来ていても不思議ではありません。「もしかして、まだ開花する時期になってない?」と、長雨の影響が予想以上に深刻なパターンが頭をよぎるのですが、とりあえずはいつものルーティンに沿って行動してみることにしましょうか。
本堂にて心経を一巻。今日は心なしか早口なような気がしますがまあいいでしょう。そして、いよいよ弁天池へと歩を進めるのですが、遠目だと前回と同じように見えるのは気のせいでしょうか。
入り口を抜けて見回す蓮池。咲いている蓮の花はやはり片手で数えられるほど。「あ〜、やっぱりダメかぁ。」と、そう思ったのですが、冷静に考えるとこの時間にはまだ咲いていないのが普通ですよね。今の時間に咲いているのは、これから花びらを散らすだけの四日目の蓮と少し気が早い早起きの蓮だけ。となれば、これからどれだけの蕾が花開くのか楽しみになってくるのですが、その前に、白み始めた弁天池の姿も撮っておおかなければいけませんね。
朝露を纏った弁天池のなんという美しさ。貸切の蓮池で満喫する目覚めの鼓動。途中、まだ夢の中のバッタとカマキリにも遭遇したりして、ワタシの写欲はもうすでに満足度85%にまで達しています。
それにしても可憐ですね。開きかけた蕾の姿がこんなにフォトジェニックだとは思いませんでした。その佇まいはまるで和菓子のようで、ファインダーを覗いていると涎が出てきそうになりました。
そんな蓮池の散策を楽しんでいるとあっという間に過ぎる時間。と、この辺りで時刻は午前7時過ぎ。本堂からも線香の匂いが漂ってきて、我々人間たちも活動を始める時間のようです。そして、見渡す蓮池は先程とはどこかが違う雰囲気で、ワタシに素敵なアハ体験を提供してくれるのです。
こちらの蓮は開花一日目でしょうか。つい30分ほど前までは蕾だった蓮は見違えるような姿でワタシを魅了します。お椀型に花開いたそれは初々しさ満載で、やわらかい光と相俟って透明感抜群。こんな風景を独り占めできるなんて、早起き(そもそも寝れてないんですけど)した甲斐があっというものです。
蓮池にもいよいよ眩しいほどの光が差してきて、それは目にも鮮やかなコントラスト。「キタキタキター!!」と嬉々としてカメラを構えるワタシなのですが、太陽に照らされた弁天池はあっという間に灼熱地獄。となれば、睡眠不足のワタシの頭はもうクラクラで、早々に退散を決め込むことになるのです。とはいえ、今日の満足度は120%。夏の寝つけない夜は、夜明け前から蓮池を訪ねてみるのがよさそうですね。