今日は夜勤明けの日。帰宅してシャワーを浴びて、軽〜く朝食を食べたらとりあえず寝ることにしましょうか。外では相変わらず工事の騒音が鳴り響き、今日も耳栓なしでは眠れそうにありません。ダイソーで買ったスポンジタイプの耳栓をギュギュッと耳に差し込んで、夢の中へ迷い込んでみましょうか。では、おやすみなさい。
午後3時。アラームなしで目が覚めるのは、シフト勤務に慣れすぎたからでしょうか。朝眠りにつくと、ほぼ間違いなくこの時間帯に目が覚めるカラダになってしまいました。それがいいのか悪いのかは別として、夜勤が明けた日はそちらのほうが都合がいいかもしれません。カーテンを開けて空を眺めて、雲の調子を確認します。天気は上々、染まるかどうかは別として、カメラを持って出掛ける価値はありそうです。もちろん、今日の雲も表情豊かです。さあ、行こう。
こんなに雲が素敵な日は、水面に映る空の風景などを撮りたくなりますよね。ということならば、行き先はもう決まったようなものです。カメラバッグを後部座席に放り込んで、重信川の河口を目指します。助手席にはカエルさん。金曜日は休みのことが多いので、こうやって一緒に動けるのです。さ、そろそろ到着しますよ。
「ん?水、流れてなくない?」
「ないね。最近、雨降ってないからね。」
「マジかー。これ、撮れんわー。」
「帰りに確認せんかったん?」
「そういえば、水ないな〜って思ったような気がする・・・」
「やっちゃったねー。」
ということで、非常事態です。いつもの場所で撮れると確信していましたからね。プランBとか持っているはずもありません。目ぼしい場所はありますが、今から車を走らせても到底間に合わないでしょう。困った困った困った!!
とはいえ、困ってばかりでもしょうがありません。目の前に広がる素敵な空の風景を見逃がすのはあまりにも勿体ないでしょう。どうにか近場でいいロケーションを探さなければ。と、重信川の河口付近をぐるぐるぐるぐると回って迷い込んだのは、いつか見た夕景のあの場所。
「しゃーない。水の風景は諦めて空と雲だけでも撮ろうか。」
「ま、そういう日もあるよね。」
「じゃ、そのへんぶらぶらしてくるから。」
「了解。なんかあったらLINEしてー。」
と、DP2だけ持って更に河口へと歩みを進めたときには、まさか三脚を取りに帰ってくるようになるとは思ってなかったのでした。
三角州と呼ぶにはあまりにも規模が小さいのですが、水溜りと呼ぶのも憚れるようなそんなロケーション。小舟とブイがプカプカと浮かんで、暮れる色を映す静かな水面。その光景は、今日まさにワタシが求めていたものなのでした。惜しむらくは、この場所にたどり着いたのが少し遅かったこと。
「こんなとこがあったんやねぇ。」
「歩いてみるもんやね。」
「まったくだ。」
などと車に向かう真っ暗な道を歩きながら、夜勤明けに夕景を撮りに出掛けるとけっこう確率で当たるなぁ・・・と、つくづくそう思うのでした。