「これは焼ける!!」出窓から眺めてみた西の空がなにやらいい雰囲気だったので、慌ててカメラバッグに機材を詰め込んで走ってみたのは昨年見つけた菜の花の谷。夜勤が明けた日の夕方にやたらとこんなシュチュエーションが多いのは、一番長い休日がやってきたという高揚感もあるのでしょうか。夜勤明けの夕方に撮影に出掛ける回数が一番多いということは、おそらくそういうことなのでしょう。ただ、いつも4時間ほどしか寝ていないのでやたらと欠伸が出るのはご愛嬌なのですが。
この菜の花の谷、実は先月の中旬に一度訪れているんですよ。昨年訪れた際、菜の花は満開だったのですが小屋の脇にある桜が散ってしまっていたので、今年は少し早めに偵察に訪れていたのです。そのときには菜の花は五分咲き、桜は蕾がつき始めたところだったのですが、今日は両者ともに満開。どうやらパーフェクトなタイミングで訪れることができたようです。
菜の花と桜の共演に高まる写欲。少しばかり早く着きすぎましたが、いい構図を落ち着いて探すにはちょうどいい頃合いかもしれません。しかし、ここで気になることがひとつ。桜は桜でも、ワタシはてっきり河津桜だと思っていたんですけど、どうやら色的に河津桜ではないみたいです。かといって染井吉野が咲くにはまだ早いとなれば、目前で咲き誇るこの花は何?となるのですが・・・この花はホントに何???
やはりいいですね。斜面を覆い尽くす春の黄色がまるで海原のようです。とりあえず道なりにぐるりと一周して素敵なアングルを探すのですが、どうしても同じような構図に落ち着いてしまいます。今日は空を入れるつもりなので、空と谷のバランスのいいところを切り取りたいですね。
さて、メインの構図はあらかた決まりました。というわけで、空のコンディションが整うまで黄色の海を楽しむ時間です。それにしても、いったい何万本の菜の花が谷を埋めているのでしょう。あの黄色い海にダイブしたい衝動に駆られますが、大量の花粉に塗れることを想像するとだいぶ萎えてきました。そして、菜の花にはガードレールがよく似合うのです。
時折り差し込む太陽の光が菜の花と桜(みたいな花)を照らすと、望遠ズームの出番です。河津桜だと思っていた花は少しピンクに頬を染め、黄色を濃くした菜の花との相性は抜群の様相。これが河津桜だった世界線も見てみたかったのですが、それは贅沢というものでしょうか。ところで、これは何の花なのでしょう???
ここでオマケの3枚。伊予灘にかかる天使の梯子に正体不明の花。そして、フィルターをセットして本気度が伺われる我が愛機の写真。さて、そろそろ落陽の時間です。先ほど決めたポイントに移動して、広角ズームに付け替えましょうか。それにしても、この時期にこんなに寒いとはこれ如何に? 待ち時間の間に体の芯まで冷えてしまったようです。さ、さむい。
日没の時間が迫ってきて、そして、静かに暮れる西の空。そう、ワタシが期待していたのは豪快に焼ける空だったのですが、空には空の都合があるのでしょうね。今日の夕空は静かに暮れる情景を選択したようです。ただ、ワタシがそれを残念と思わなかったのはご覧の通りで、春の黄色に本当に似合うのはコチラのほうだったのではないでしょうか。