秋色に染まる久万高原町は、今シーズン初の来訪です。夜勤の最終日を有給休暇にして挑んだ撮影は、日の出とともに活動を開始するという念の入れよう。とはいっても、その理由の8割ほどが朝の出勤ラッシュに巻き込まれたくないからというもの。そのおかげで、快適な車の旅を享受することができたのですが。

古岩屋荘の道を挟んで向かい側の駐車場はワタシの愛車の貸し切り状態。さすが平日の早朝ですね。こんな時間から活動するのはどこかの物好きなカメラマンくらいしか思いつきません。あとは、ワタシに遅れること15分のちょっと品のある老夫婦。

昨夜降った雨はすでに上がって、辺りを満たすのはヒヤリとした冷気としっとりと憂いを含んだ瑞々しい空気。吐く息はうっすらと白く、自販機で買った缶コーヒーはカイロがわりに大活躍です。そして、眼下に広がる渓流を彩る紅葉は色づき始めの初々しい色合い。それはまるで色相環のような印象で、季節の移ろいが感じられる美しさ。こうなると雨上がりのしっとり感が効果的で・・・おっと、うっかりPLフィルターなしで撮影していましたが、これがないと話になりません。ほら、あるとないとじゃこんなに違うんですから。

ワタシの頭上、電線から落ちてくる水滴が冷たくて冷たくてウィンドブレーカーのフードを被って撮影していると、周りの余計な視界が遮られて没入感が高まります。そのおかげか、みるみるうちに埋まってゆくSDカードとあっという間に消費するバッテリー。そして、帰宅後にその膨大なデータを見て後悔するいつものパターン。嗚呼。

雨上がりって本当にいいですよね。被写体を美しく見せるのは勿論のこと、朝日に煌めいて華やかさを演出してくれます。そういえば、この人もこんなこと言ってましたよね。

不思議だな雨というのは。降っている間は妙に心を重くするが、ひとたびあがれば、すべてを美しく見せる。

ラインハルトフォンローエングラム

今日の天気は晴れ。太陽が登ってゆくにつれ薄まってゆく雨上がりの雰囲気。とはいえ、光の効用は絶大で、透過光で見る秋の色彩は心が躍る鮮やかさ。遊歩道の紅葉も見頃はまだ先のようですが、色づきが進むとさらに美しくなることでしょう。

遊歩道から駐車場へ戻ってきた足で渓流を偵察。お目当ては光が射してきたときのリフレクションだったのですが、この色づき具合ではさすがに厳しそう。ただ、かなりの長秒露光だとどう転がるかわからないので念のため・・・

やってみないとわからないものですね、やっぱり。そこそこいい感じに仕上がるのでは?と期待はしていたのですが、この琥珀色は期待以上の出来。重々存じ上げていましたが、ND1000とPLフィルターの組み合わせは凄まじい威力を発揮しますよね。ただ、待っている時間の手持ち無沙汰なところは大の苦手なのですが。

と、早朝から秋の色彩を楽しんだ時間ももう終わり。この後に足を伸ばそうと思えば行きたい場所は多々あるのですが、夜勤明けの時差ボケが祟ってこれ以上は体力(と精神力も)が持ちそうにありません。それにほら、明日も休みですから、お楽しみは残しておかないと・・・ね。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Back To Top