水鳥と戯れたい衝動っていうんですかね。そういうのが定期的に訪れるようになってしまって困っているわけですよ。いえ、正確に言えば困っているわけでは全然なくて、「しょうがないな。じゃ、行くか。」ということになってブログの投稿が偏りがちになるだけなんですけどね。あ、でも、そういう意味では困っているというのは正確な評論かもしれませんね。というわけで、結果的に困っているというその水鳥の撮影に性懲りも無く繰り出すことにしたのでした。

一応、大義名分はあるんですよ。X-H1のボディ内手ぶれ補正がどのくらい有効なのか。それを検証するには水鳥の撮影はうってつけだと思いませんか。望遠ズームが手持ちでイケるとなれば構図の自由度が向上することは容易に想像できる上、突発的に訪れるシャッターチャンスを逃す確率も激減するという機動性は動体を撮影する上での大きなメリットになることでしょう。あ、でも、今日のモデルさんはポーズを決めたままピクリとも動きませんけどね。

モデルさんがあまりにも動かないので少し飽きてきました。あ、いえ、同じ被写体での検証はもう必要ないと判断したので、違う被写体にも目も向けていこうという意味合いです。廃桟橋に遊ぶ小さい水鳥たちの愛らしさに海面に映えるリフレクションの面白さ。廃船の佇まいが琴線に触れるのは言わずもがな。やはり、この港の風景は特別だと感じてしまいます。

向かいの建物の屋上で和む水鳥たちを見つけました。建物の側壁には蔦が張って、そのシルエットは水鳥たちの仕草と相まってワタシの写欲を刺激します。背景の夕空も刻々と色を変えて、そのバリエーションで撮り手を飽きさせないのです。

水鳥のその他諸々。青鷺、白鷺がスタイリッシュでフォトジェニックなのはもちろんなのですが、それ以外の水鳥だって負けてはいません。あ、いえ、枚数が圧倒的に少ないのはそういうことではなくて、動きが忙しすぎてワタシがついていけてないだけですよ、念のため。

夕照が印象的になってきたところで件のモデルさんのところへ舞い戻ってみました。もしかしたらもういないのかもと思っていたのですが、そんな不安はまったくの杞憂と終わりました。先程とまったく同じ場所でまったく同じように片足立ち。たまに首を振ったり竦めたりはするみたいですが、そのプロ意識は賞賛に値するレベル。それにしても、海面に照明が灯るだけでこの完成度。あ、いえ、今までのそれらがリハーサルだったと言っているわけではありませんよ。ただ、ワタシの気持ちが上がる時間が必要だっただけ。

さて、いよいよ残照の時間。この時間は港の西端に向かうほどいい景色に巡り会えるのです。徐々に移動しながら、目に止まった情景を切り取る作業。静寂の中、ポンポンと鳴る漁船のエンジンの音が切なく響いて、ワインレッドに染まる夕映の色がノスタルジックに滲むのでした。


足元さえ曖昧に感じるほどの暗闇が訪れて、ついに決心する退却の時間。車を停めている港の入り口へと歩みを進めながら、少しだけ、いえ、かなり心に引っ掛かっていたのが件のモデルさんの所在。さすがに同じ場所にはいないだろうとは思っていたのですが、それはさすがにその通りで、彼(彼女?)が立っていた漁船は彼の存在なしでゆらりゆらりと揺れていたのでした。ただ・・・

それは三脚を畳んで後部座席の足元へ仕舞い込んだ直後のことでした。街の明かりが海面に揺れて、その揺らぎの中に見つけたのは彼の姿。「いやちょっと、この暗さだとさすがに撮れないよね。」とは思いつつ、三脚を立てる速さは光の速度。「あー、でも、さすがに被写体ブレしちゃうよね。あ、そうだ。ついでに高感度のノイズチェックでもしておこうか。」と、選択するのはISO1600〜3200。それでもシャッタースピードは1/6秒前後の世界だったわけですが、そこはさすがのモデル魂。ピタッと止まってカメラマンをアシストするのは、職業モデルのプロフェッショナルたる所以でしょうか。あ、いえ、そうは言っても、等倍でチェックすると僅かながら動いているのがわかっちゃうわけですが。

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