それは3月に入って一週間ほど経った頃だったでしょうか。「イヤホンいる?」と、いきなりShowに尋ねられたんですよ。「え?いらんけど??」そう答えたのは、Showが最近買ったイヤホンを譲ってくれるのかと思ったから。そういえば、「ちょっと貸して〜」ということが何回かあったからそんな気になったのかと思ったのですが、どうやらそうではなかったみたいです。「いや、誕生日が近いけん。一万円くらいまでなら・・・」
いやぁ、これはちょっとうれしいですね。ちょうどイヤホン沼に片足突っ込んでいて、もう一台くらい買ってしまおうかと思っていたところにこの提案。当然、「あざっす。じゃ、お言葉に甘えて〜」となるのですが、ここから数日間、リクエストするものを選定する作業が混迷を極めることになるのです。とはいえ、その時間こそが至福のひとときなのですが。
- 水月雨 Aria2
- 水月雨 梅 – MAY –
- SeeAudio Rinko
- qdc SUPERIOR
- SENNHEISER IE 100 PRO
- Simgot EA500
- 水月雨 竹 – CHU 2 –
- TRN Conch
- QoA Vesper
- TINHiFi T3 Plus
- Simgot EW200
- Kiwi Ears Dolce
候補一覧。けっこうありますね。ネット界隈をググりながら、SNSからも情報を仕入れた結果がコレです。予算オーバーのものもちらほらと存在していますが、セールやらで安く仕入れることができることを期待しての候補一覧。そして、この中から第一希望から第三希望までをShowに伝えたのですが、その3つの候補がこちら。
SeeAudio Rinko
・マイクロ・プラナー・ドライバーとダイナミックドライバーを1基ずつ搭載する頭おかしい構成
・音というより振動と表現したほうがいい凶暴すぎる低音
・低音域に負けない中高音域を実現する絶妙なチューニング
TINHiFi T3 Plus
・美しい外観にひと目惚れ
・みずみずしい中音域と濃密な低音域に刺さりすぎない高音域
・柔らかく上品で調和のとれた美しいサウンド
TRN Conch
・スーパー寒色明瞭サウンドがヤバい
・付属品が豪華すぎてヤバい(ノズル3種・プラグ交換式ケーブル・アルミケース etc)
・いろいろとヤバすぎるコスパモンスター
・デザインだけは好きになれそうにない
一応、上から希望順で価格もそれに準じます。Rinkoは15,000円前後で一番高価なのですが、セール価格で12,000円ほどになっていたのでダメ元でリストに入れてみました。が、Showが下した結論は第二希望のT3 Plus。正直、レビューを見ていて自分の好みに合うのはコレじゃないかと思っていたので、心の中では精一杯のガッツポーズ。と言っても、どれが選ばれてもガッツポーズだったのですが。
そして、誕生日にはまだ一週間ほど早いある土曜日。仕事から帰宅したワタシの目に入ったのは、テーブルに置かれた白くて四角い箱。「ありがと〜。いただきまっす!!」と、お礼の言葉もそこそこに開封の儀を執り行って御目見したのは、マーブル模様にゴールドのロゴが映える美しすぎるフェースプレート。これは気持ちが上がります。
MeetAliceかAmberか。それとも、付属のケーブルをそのまま使うか。とりあえず、第一印象で圧倒的に良いと感じたのは、Bigmango Amberでした。けっこう多めに鳴る低音域とヴォーカルが映える中音域に絶対に刺さらない高音域がバランスよく調和して、柔らかくて上品なサウンド心地よさ。そして、そんな音色をさらにふわっと仕上げるのがAmberの素晴らしさ。さらに言えば、T3 Plusとの見た目の相性も抜群で、その美しさは思わず写真を撮りたくなるくらいです。嗚呼、美しい。
ということで、我が家にやってきてからというもの一日も欠かさず聴いているT3 Plusですが、吉澤嘉代子さんの声との相性が凄まじくいいことに気づきました。『六花』というEPをリリースしたタイミングで聴いてみたのですが、作品の素晴らしさとも相俟って吉澤さん熱が再燃してしまいそうです。いえ、すでにどっぷりと浸かってしまっているようです。
全曲オススメと言っていいほど素晴らしい出来なのですが、強いて言えば『オートバイ』と『魔法はまだ』の2曲に強く惹かれます。この2曲のバックでドゥイ〜ンと鳴る低音が本当に堪らないのですよ。ということで、駄文を紡ぐのはこのくらいにして今夜も芳醇なサウンドに酔いしれるとしましょうか。