「助けて・・・」
と、氷の中からボクを呼ぶ声。
その夢は、妙にリアルで切実だったんだ。
とにかく、朝を待って向かってみよう。
すべてが凍てつく氷の世界へ…

魔術師カエル。たったひとりの従者であ~る。
マクーロの呪文の使い手だ。
寒さには滅法弱いのだけれど、そのセンスは一級品。頼もしいぜ。

愛馬フォーレを駆って小一時間。
見えてきたのは雪の村。
この村の奥深くに、「秘境ナメカワ」と呼ばれる凍てつく渓谷があるという。
その冷気は、すべてのモノを氷中に封じ込めてしまうとか。
ここだ。きっと、ここに違いない。

行く手を阻む白い壁、妖気漂う蒼い影。
撮っても撮っても現れてくる。
これはもしや、”CFカードガイッパイデス”攻撃???
マズい。魔術師カエルがこの卑劣な罠の餌食になりつつあるではないかっ!!
無用な戦闘は避け、先に進むのだっ。

視線・・・視線を感じて振り返ってみる。
と、そこには、大雪の日には必ず現れるという伝説のモンスター「ユキダル魔」。
たぶん、いや、確か・・・彼はとても穏やかな性格で、動くことはまずないという。
そして、明るく暖かいところでは溶けて死んでしまうと聞く。
「ロシュツホセイッ マイナスイチトサンブンノイチ~」
そうか、できるだけ暗く冷たく・・・というわけか。
魔法使いカエルはやさしいな…。

ついにきた。ついに渓谷セクションへ突入だ。
足元に広がる氷の粒が、歩みを鈍らせる。
そして、その氷の粒に紛れるように…
ヤツの名は、オッサーンガーオ。
そのギョロリとした目で、侵入者を見張るのだ。
近い。敵は近いぞ。

停止した世界。
凍てつく渓谷では、水が流れることさえ許されない。
なんと儚く、なんと恐ろしい冷気の魔力。
こんな絶大な魔力に、ボクは打ち勝つことができるのだろうか…。

奥へ奥へと歩みを進める。
至る所に張り巡らされた”コケチマーエ”のトラップをかいくぐりながら。
それにしても滑る。滑るんだ。
そういえば、アイテム屋のヒゲおやじが言ってたな。
「こいつはアイゼン。これを買っていきな。”コケチマーエ”のトラップに有効だ。クランポンとも呼ぶけどな。」
くそ~、たかが2000ゴールドケチったばっかりに・・・。

ん?左奥、橋の手前に光るモノが??
もしや・・・???

光り輝くクリスタル!!
これだ。これに違いない。
あの声の主は、このクリスタルに封印されているに違いない。
しかし・・・どうやって攻略すれば???

「マクロデドアーップ!!」
魔術師カエルが得意の呪文で攻撃だ。
き、効かない?
どうやら、テブーレバリアが張り巡らされているようだ。
かといって、サンキャクタテールの補助魔法は使えそうにない。
“コケチマーエ”のトラップで無力化されてしまうからな。
さあ、どうする?

意を決して、敵の懐に飛び込んでみる。
しかし・・・
全身に浴びせられるチベタスギルスイテキミサイルの集中砲火。
マズい。マズすぎる。
このままだと、水に弱いイオースの剣が錆びてしまうではないかっ!!
よし、こうなれば・・・

「ハラニチカライレテ・イキヲトメテ・ソーットレリーズっ!!」
ありったけのMPをすべてつぎ込んで、伝説の秘奥義が炸裂だ。

ドゥワァァァァァァァァァン!!!!!!

爆音と共に、激しく飛び散るクリスタル。
そして・・・

「ありがとう・・・」
確かにボクにはそう聞こえたんだ・・・。

さあ、帰ろう。
温かいコーヒーと温かい布団が待つ我が家へ。
「ルーラ!!」

・・・ MPが足りません(泣

さて、この不思議なお話はこれで終わりますが、どうやら今週末も冷え込むという噂。
もしかしたら、あなたにもあの声が聞こえたりして・・・。

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