2016
9
May

Nature, Photograph, Twilight

追憶の情景

カエルさんの実家に帰省するたびに、密かに期待していることがあります。見降ろすとすぐに目に飛び込んでくるあの棚田に、水が張られてるんじゃないかって。ほんの数枚の棚田だったのですが、その美しさにはいつも目を奪われていたものです。けれど、数年前からその棚田には水が張られなくなり、その代わりにみかんの樹が植えられました。棚田での作業は、想像以上に大変だということを聞いたことがあります。高齢化して過疎化の進む田舎ですから、それも仕方のないことなのでしょうね。

 

思えば、2012年5月3日に撮ったのが最後でした。何故か、この日のことは不思議とよく憶えています。カエルさんとふたり、カメラを片手に出掛けた散歩道。急に降りだした天気雨と、突然やってきたシャッターチャンス。陽が落ちて、真っ暗になるまで楽しんだ棚田の風景。そう、それはまるで、名残を惜しむかのように。

残念ながら、今回もあの景色を見ることはできませんでした。けれど、いつの日かきっと・・・。